前回のレポート「ファットチャタクラMRを神ルアーに!」をテーマにお伝えした反響もそこそこに・・・その読編となる今回のレポートは、平谷湖フィッシングスポットさんでのテスト釣行をお伝えいたします。
因みに、前回の「レポートのおさらい」として下記のテスト項目を掲げて検証しましたので振り返ってみましょう。
① 理想的な針「フック」を見つける
② 理想的なラインを見つける
③ 理想的なロッドを見つける
まず③については同じロッドを2本用意して臨む「スーパーアンディーン51UL」話題の掛けショートグラスでの比較。そして②のライン選択。フロロとPEラインの2方向から検証結果を追い求めどちらも長所短所が明確化され最も良いライン選択の答えは「それほど重要ではなく」それはスタイルの違いでどちらをセレクトするかで使い手の心理的な要素もあると判明。その結果からも、やはり最も重要でありミスバイトをいかにフッキングさせるかは①について調べるのが妥当であり「神ルアー」への早道となります。
では、ハリについて話を進めていきます。実はその昔ディスプラウトでもオリジナルフックを開発・販売する予定でいろいろとプロトを作りテストも重ねていましたが、結果的にフックに関しては開発を中止ししました。なぜなら、フックの好みが十人十色で「これを使えば間違いなし」なんて物にたどり着かずその答えは全て理想論から想定した「この様なフックがあればこんな場合に対応が可能だよね・・・・」と思うしかないものと判明したからです。つまり求める答えは「ひとつではなく沢山存在する」と言う事です。実際に他のルアーメーカーさんもフックを販売していますが、そのメーカースタッフでさえ自分のメーカーのハリだけでは満足できないのが現状です。当然それは「ルアーやラインも同じこと」だと思いますが、やはり魚に一番近い商品「フック」に関してはハリメーカーに任せた方がベストな選択であり幅が広がります。この様な理由からも今後もディスプラウトとしてのオリジナルフックは開発しないでしょうと断言できます(笑)ただ、ハリメーカーを凌ぐ素晴らしい発想とアイディアがあればそれはまた別ですが・・・・・。賛否両論な意見もあると思いますが私はこの様に考えました。
さて、ファットチャタクラMRに標準装備されているフックは「ヴァンフック社のCK-33 #6」となっていますが、先に述べますが勿論「このハリがダメ」な訳ではありません。この標準フックはオールシーズンに適していてとても使いやすく信頼あるフックです。車のタイヤで例えるのであれば「オールシーズンタイヤ」と思ってください。しかし、このレポートで追い求めているのは詰まり「レーシングタイヤ」と言うことをお忘れなくお願いします。
さてさて、そんなタイミングで平谷湖でテスト中の合間に現れたのがヤリエの宇仁菅氏・・・・。
私のレポートの企画を伝えると・・・「なら協力するでぇ~どれでも好きなの使ってテストしぃや~」と頼もしい助っ人登場です(笑)
運良くもヤリエ社の全面協力のもとベストフックを求め検証が始まりました。では、レーシングタイヤ「神が掛かり」するベストなフックとはどの様な条件が理想か・・・・⁇その内容を下記に想定してみます。
① 針先にふれただけでフッキング「優れた初期掛かり性能」
② フッキング後バレない「貫通性能」
③ 丈夫「耐久性」
基本的にはどの様な状況でもハリに求める要素だと思いますがハリメーカーも日頃からの開発テーマに掲げている重要なファクター。宇仁菅氏から手渡された多彩なハリ・・・・!さて、どのハリからテストを始めるかで悩みますが、ヤリエ社でクランク向きフックと言えばSTフックがあります。私も昔から良く使っていましたが標準フックとコンセプトが近いので最初に選んだのは
AGフック・・・・
こちらは甘噛み対応で多用される方も多いフック。特徴は、初期掛かり重視のワイドゲープですが、夏場の素早いバイトにはどうしてもハリの弾力が気になります。本来はこの弾力を活用して魚の口にチクリと刺すのですが追う魚に対しては非常に良いイメージのハリでも突撃バイトではその魅力的な弾力が不向きな感じですね・・・・。つまり、口へのひっ掛かりが良い分弾力が裏目となりパワーに弱く貫通せずゲープが広がり激しい魚の動きでバレてしまいます。
次は、MKフックハイパー・・・・
特徴は、ロングテーパーで針先の強さと耐久性に優れミディアムワイヤー使用。ファットな丸いボディーから少しでも距離を取りたいと考えたのですがゲープが実感狭いので本来はスプーンなどに適している。ただ、刺さりは良くバレも少ない。ただ、トラブル「針がらみ」・・・「ハリとハリが握手」状態はいなめない↴
お次は、冒頭でもおなじみのヤリエ社の中は「ミスタークランクフック」と言えるド定番
STフック・・・・
実は、STフックは昔から良く使っています。特徴はショートシャンクでワイドゲーブ。特にプラグの釣りには最適でありDSベビーバイブやDSクラピーには標準装備させた時もあったフックでもあります。ただ、唯一の欠点はロリマスには不向きな点・・・アベレージが250g以上の釣り場では問題ありませんが200g前後の魚に対しては気持ち的に強すぎるイメージで貫通性能がイマイチ・・・「標準フックのヴァンフック社のCK33も同様」このハリはカウンターバイト「反転バイト」には無敵なフック。例えば、ファットチャタクラを基本的な巻き巻きして狙うならこのハリが最も最適といえます。しかし、今 模索しているのは表層超デットスロー巻きで角度があり下からの突き上げてくるバイトを獲るハリなのです。 そう考えると残念ながらやはり初期掛かりを考えると別のハリを求めてしまいますねェ・・・・・
そうなると初期掛かりが大事となる今回のテーマ・・・・やはり刺さり的にもAGフックが気になります・・・。
ブツブツ独り言を言う私を見かねて宇仁菅氏のフックセミナーが始まちゃいました(笑)
宇仁菅氏によると掛からないバイトと取ることで一番大事なのはハリの固さと断言。弾力のあるハリにはメリットもあるがデメリットも当然あります。勿論その逆もあり固いハリにも同じことが言えますが掛からないバイトが連続的に発生しているのであれば固くするのが正解と彼は豪語していました。つまり魚の口に刺さらなければ話は進みません。時に飲み込む様なバイトなら問題ありませんがハイスピードなフレンチキスとなると魚の唇に針先が残らなければ「引っかからなければ」合わせても掛かりませんよと・・・。そこで柔らかいハリだと針先が踏ん張っても貫通時のパワーが掛からずゲーブが負けてしまい開いてバレる。この開いてバレるを何とかしない限りは問題解決にはならないと熱弁する宇仁菅氏・・・・。ズバリ森田さんの求めるフッキングに適している条件はこのハリや― と・・・「笑うセールスマンバリの宇仁菅氏」(笑)
AG+じゃ・・・・・! ドーン
大事なポイントは下記となります。
① 素早いバイトをとらえるシャープなハリ先
② どの角度からアタックしてきても掛かるワイドゲープ
③ 魚の口に引っかかった状態でハリ先にパワーをくわえても針先の角度を変えずに素直に貫通まで持ち込める
このAG+は理論上 正に適任なハリ・・・・と言うより「求める条件を満たしているハリ」となります。フッキング性能を数字で表すのには限界もあります。なぜなら魚のバイトは10魚10色 つまり100匹いたら100匹の違うバイトと考えられます。勿論、ある程度の傾向はありますが全ての魚が同じバイトとをしてくると考えたら機械的な発想となり釣りの面白さが半減します。こうなると最終的には理論が正解と考えるしかなくその理論にあうキャッチ率を見出すことが正解と考えるべきでしきょうが最終的には使ってみてその感想「手応え」が得られれば良し「正解」考えるがベターでしょう。
早速、AG+に変えてみると掛かってからのバレが非常に少なくなった様に感じました。この感じたことが一番大事な事となります。つまり、いろいろテストしましたが特に変化を感じれなければ一歩を踏み出したとは言えませんし結局どっちつかずな結果となってしまいますがAG+はシャープな先端で甘噛みを魚の口にチクリと刺さり細軸な線形で貫通まで持ち込み強めな強度でゲープの広がりを抑えてくれる。
と言うことでファットチャタクラMRを神ルアーに変える為の最適なフックは・・・・
AG+に決めました。
最終的には決まったのではなく決めたです・・・・「ここが大事です」
宇仁菅氏のアドバイスは掛からないバイトを掛けるには「寄り強くするのが正解」と熱弁。つまりロスを減らす方に寄せるのが理論的にもハリを開発する上でも理にかなっているからだと・・・。極端な話で例えるなら固い竿で伸びのないラインで曲がらないハリ「線形が細い」ので望むのがロスを減らしたタックル。しかし、全てハードだとそれもまた釣りに関しては正解とは言えずどこかに遊び「柔らかい」部分が必要となる。その柔らかい部分をどこに求めるかも人それぞれであるが今回は末端な答えを求められたのでゲープが広く固いハリをオススメすると答える宇仁菅氏でした。
この時代、選択する物は沢山あります。その中から最適な物を自分の感覚で見出すことも釣りの楽しみ。この様にテーマを決めて分析した結果 求めた答えを信じて行うなうのが釣りの醍醐味でもあります。最近は若者の物欲ばなれが目立つ時代・・・・。釣り「ルアー釣り」に関しては物欲は釣果への近道・・・・。特にエリアフィッシングでは魚の居る場所で釣るゲームですからそれに伴う傾向と対策は確実にあります。その対策が今回の正解となるのですが例えばルアーに関しても同じで星の数ほどある各社のスプーンの中でどれが一番釣れるスプーンなのかは試さなければわかりません。しかし、過酷なエリアトーナメントの様な場所で使われているルアーは今回の様なテストが数多く行われ辿り着いた答え「すなわち使うための理由」となるのです。
私は現場で良く釣り人に聞くことがあるのですが「何で、そのルアーを使うのですか?」と聞くと大半の答えは「なんとなく釣れるから」と答える方が多いですね。開発をしている立場からすれば「何となく」では納得できず説明をして欲しいのですが、時にその答えを求めて自分で使ってみたりもします。
すると思わぬ発見があったりもして「なるほど」だから釣れるのか・・・・とその秘密が解明できるときもあります。因みに同業社なので会う機会があったときなどにそのルアーの開発者に聞いてみますが「え・・・そうなの」って作った本人もわからないこともあったりもします(笑)
釣り道具って面白い物で使い方しだいでは面白いほど釣れる物も確実に存在します。それを見つけてしまった時の喜びって凄いですよ。
話はだいぶ脱線しましたが、ファットチャタクラMRとAG+の組み合わせはオススメできるセッティングです。ファットチャタクラMRで同じ様な疑問をお持ちの方は是非 試してみてください。
※ 参考までに今回のレポートで述べた内容は私 個人的な感想ですのでその辺は何卒ご理解ください。
で、ファットチャタクラMRとの愛称も良いことがわかったので、同じ様なシチュエーションで悩む時がある「ピコ・イーグルプレーヤー」でも試そうと思い宇仁菅氏に#8も使ってみたいと話すと・・・・・罰悪そうに
宇仁菅氏:「ない・・・」
森田:え・・? だから#8でも試したいんだけど・・・・
宇仁菅氏:だから#8はないんじゃ~・・・・・・
森田:?・・・
流石関西人・・・・・最高の落ちをスタンバイしていました(笑)
残念ながらAG+は現時点では#6しかラインナップされていない様です。
あれだけ熱弁されてそれはないでしょう(笑)と言うことで今回のレポートは終了となります。前回からの長々なレポートでしたが参考程度に思っていただけたら幸いです。他に、ファットチャタクラに最適なハリがありました皆さん教えて下さいね。
因みに、夏場のファットチャタクラ用にベストなAG+と判明しましたが、どうやら最近の大会での放流用として使っていたハリがAG+だった様で、平谷湖チャンピオンシップの1回戦最多釣果の40匹や醒ヶ井の名人戦の放流ラウンドでの50匹など既にAG+を使い活躍していたハリだった事に亀さんに突っ込まれどんだけハリに興味がないかがバレてしまったのは後の祭りと言うことで悪しからず。(笑)
「その後のイベントでの合間でカキ氷をくらうオッサン2名の会話」
森田:放流乱打戦にもAG+は最適だぜェ~ってことで
知らなかった事は内緒でねェ・・・(笑)
宇仁菅:ええょ~AG+は意気なハリやねェ~存在が渋さの極致や~・・・・
氷の冷たさが頭に「ぴきィ~ん」ときている宇仁菅氏と氷を砕くのに夢中な森田Pとの「どうでも良い会話」でした(笑)
最後にAG+の #7と#8も追加してくださいと願う森田Pでした。